第55章 砂漠の旅の始まり
「水琴ちゃん!渡してなかったな、これ調達した服」
ニコニコと包みを手渡してくるサンジとナミ達を交互に見る。
「…これ、ナミ達とお揃い?」
「もっちろん!水琴ちゃんに一番合う衣装を選んできましたよ」
「…絶対着ないからね」
「なんで?!」
まさか断られるとは思ってなかったサンジがショックを受ける。
「二人みたいなナイスバディーならともかく、私が着ても痛いだけだから!」
「そんなことないって!水琴ちゃんだって絶対似合うから!」
「やだ!!」
断固として拒否する水琴にそんな…と泣き崩れるサンジ。
「でも、他に服ないわよ?」
「…部屋から、何か適当に…」
「町の中ならともかく、今ある生地じゃ砂漠はきついかも…」
ナミとビビの追撃に呻く水琴。
確かにルフィと少し砂漠を歩いただけできつかったのだ。この国の服を着ていた方が余計な体力は消耗しないで済む。
「……上着羽織るからね」
苦渋の決断を下した水琴はサンジから服を受け取った。
「可愛いーー!!」
部屋に引っ込み着替えた水琴はおずおずと甲板へ現れる。
「ナミ、苦しい…!」
抱きしめられた水琴は豊満な胸に押しつぶされ窒息しそうだ。
「へ、変じゃない…?」
「変じゃない変じゃない!サンジ君グッジョブ!」
鮮やかな赤い生地に金色の装飾は水琴の髪と肌の色によく似合っている。サイズも驚くほどに水琴にフィットしていた。サンジ恐るべし。