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【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第54章 友達だから






 「ねぇ!あれルフィじゃない?!」

 双眼鏡で海沿いを捜していたナミが声を上げる。

 指差す先を見れば確かにルフィがこちらへ向かって大きく手を振っていた。


 「おい、あの隣の男……!」


 サンジが見覚えのある姿に呻く。

 例の怪しい男だと瞬時に察したクルー達に一気に緊張の糸が走る中、水琴があ、と声を漏らした。


 「エースだ」
 「エース……?」
 「水琴、知ってるの?」
 「うん。私の仲間」


 にこっと笑い掛ければ緊張が一気に溶ける。


 「何だ…仲間かよ……」
 「焦らせやがって…」
 「ってことは、彼も白ひげってこと…?」
 「白ひげでエース…ってもしかして火拳のエースか?!」

 ウソップの声にそうだよ。と水琴は返す。


 そうこうしている内に、ルフィの腕が甲板の手摺を掴んだ。

 
 「ぐはあ!!」


 勢いが付きすぎ、ゾロへぶつかり甲板へ倒れるルフィ。


 「あ、ゾロ悪ィ」
 「てめェ……」
 「ねぇルフィ。あんたなんで火拳のエースと一緒にいたの?」
 「そこで会ったんだ。けむりんから逃げるのに助けてくれたんだ。いやー、助かったなぁ」

 麦わら帽子をかぶり直しけらけらと笑う。

 「また一段と強くなってるしな。悪魔の実食ってるとは思わなかったなー」
 「…ちょっと待って。知り合い?」
 「あぁ。エースは俺の兄ちゃんだ!」


 「「………はぁぁあああ?!」」



 ルフィの爆弾発言にクルー全員が驚く。


 「エースは俺より三年前に海へ出たんだ。そん時は悪魔の実なんて食べてなかったんだけどよ。俺一回もエースに勝ったこと無かったんだよなぁ」
 「ゴム人間のあんたが、生身の人間に一回も…?」
 「さすが兄弟。化け物の兄貴も化け物だ…」
 「あぁ一回も。へなちょこの駄目駄目だったさぁ俺は!でも今戦ったら俺が勝つね!」


 一体その自信はどこから来るんだろう。自信満々に笑うルフィの背後に見知った気配が現れたことに水琴は気付いた。


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