第7章 白ひげクルーとの日常 3日目
別に欲しいってわけじゃないですけど、見てるだけでも好きですよーと笑う。
「それにダイヤは私の誕生石なんです。だから余計かな」
「誕生石?」
「こっちの世界には無いんですかね。私の国では生まれた月ごとに守護石みたいなのがあって、宝石言葉なんかもあるんですよ!」
ダイヤは確か、永遠の絆・純潔・清浄無垢。
その強度さから、何ものにも征服されない強い力を象徴させるものとして、古来から魔除けにも使われてきた神秘的な石だ。
気高い心を持つ彼らによく似合っていると思う。
チチチ、と小鳥がジョズの肩に止まる。
「……む」
「あはは、すごい!動物って普通寄ってこないのに」
なんとなく某国民的アニメ映画のロボットを思い出す。
あれも肩にリス乗っけてたっけなぁ。
小鳥はチチ、と鳴いてジョズの肩にうずくまっていた。
「水琴、どうだ調子は…ってジョズ隊長?!」
様子を見に来たクルーがジョズの姿に驚く。
まさかいるとは思わなかったんだろう。
「暇だったからな、世間話ついでに手伝っていた」
「おかげですっかり終わりました!ありがとうございました、ジョズさん」
「こちらも話が出来て楽しかった。また付き合わせてくれ」
肩に小鳥を乗せたままジョズが去る。
ガタイも器も大きい心の優しい人だ。
「……水琴、お前すげェな」
「え?」
呆然と見送ったクルーの呟きに首を傾げる水琴。
まァいいよ、とクルーは流す。
隊長が好きでやるならこちらが言うことではない。
それからというもの、時折干場で楽しそうに雑談をする水琴とジョズの姿が見られるようになった。