第52章 合流
みんなの元へ戻ったサンジは調達した物を配っていた。
「良く似合ってるよナミさん、ビビちゃん!」
「買い出しを頼んどいて言うのもなんだけど…サンジさん、これ、踊子の衣装じゃ…」
私は庶民の服って…と苦笑いを浮かべるビビ。
「踊子だって庶民じゃないか~!」
「でも、これじゃ砂漠は…」
「大丈夫!疲れたら俺が負ぶってあげるから~!」
何を言っても耳に入らないサンジに言っても無駄だと遠い目をする。
「あら、私は好きよ?こういうの」
ナミは気に入ったのか上機嫌だ。
「と、そういえば水琴ちゃんはまだ戻ってないのか?」
同じく着替え肉に齧り付いていたゾロやウソップに尋ねる。
「まだルフィを探しに行ったまま戻ってねェぞ」
「まじかよ…ちょっと心配だな」
「何かあったの?」
サンジは買い出しの際見かけた男について説明する。
「ルフィと水琴ちゃんを捜してるようだった。ありゃただもんじゃねぇぜ」
「二人の手配書持ってたのか?おいおい、もしかして賞金稼ぎじゃ…」
「………」
眉をひそめるウソップに対し、ゾロは黙って刀を持ち立ち上がる。
「おい、どうした?」
「見に行った方がよさそうだ。ルフィはともかく、水琴も狙われてんならその男面倒そうだ」
「どういう意味よゾロ」
「俺はまだ東の海にいた頃、あいつの手配書を見たことがある。確か額は8000万ベリー」
「8000万?!ルフィの倍以上じゃねェか!」
あまりの額にウソップが驚きの声を上げる。
悪魔の実の能力者ではあるが、とても8000万の値が付くようには見えない。
「額よりも問題なのは捕縛条件だ。あいつの条件は“Only Alive《生け捕りのみ》”普通賞金稼ぎはそんな面倒くせえ奴狙わねぇ。金以外の目的がなきゃな」
ビビ、一つ聞く。とゾロはビビへと目を向ける。
「あいつがこの船に初めて現れた時“異世界の民”って言ったな。それにはもっと意味があるんじゃねェか」
「ごめんなさい…私も、あまり詳しくは知らないの」
知ってるのは、この世界以外から来た人のことを“異世界の民”と呼ぶってことだけ。とビビは申し訳なさそうに首を振る。