第52章 合流
「ルフィ!」
「お、水琴!なんだ、お前も飯屋探してんのか?」
突然目の前に現れた水琴に驚く風もなくルフィは尋ねる。
違うよ!と否定してから水琴はルフィが持っている物に気付いた。
「それ、どうしたの?」
「おっさんにもらった!」
丸々とした握り飯にかぶりつき、にししと笑う。
この短い間に何があったのか。深くは突っ込まないことにする。
「ご飯食べに行きたいなら町へ戻ろう」
「なんだ。ここ外なのか?」
「知らずに来たの?」
「どこも砂ばっかりでよくわかんねェよ」
ルフィに合わせ徒歩で町まで戻る。
少し歩いただけで汗がすごい。
町の入口までようやく辿り着き、水琴は汗を拭った。
「とりあえず、水ほしいね…」
ね、ルフィと隣を見れば何やらくんくんと匂いを嗅いでいる。
目当ての物を嗅ぎあて、ぱっと顔を明るくさせた。
「飯屋の匂いだ!」
行くぞ水琴!とぐるりと腕を回される。
「きゃっ…?!」
突然の浮遊感に思わず声を上げるがもう片方のルフィの腕が通りの彼方に消えているのを見て何をしようとしているか悟る。
「ま、待ってルフィ!私自分で行くから…!」
下ろして!と言う前にルフィは飛んだ。
がくんと身体にGがかかる。
「きゃぁぁああああああ!!!」
「めーーしーーー!!!」
二人の正反対の声が通りへと消えて行った。