第52章 合流
「ここがナノハナか」
同じ頃、エースもまたナノハナへと辿り着いていた。
水琴達が入った入り口とは反対から入ったエースはぶらぶらと通りをうろつく。
不必要に目立たないようにと羽織ったマントの下から水琴のビブルカードを取り出した。
「この辺りのはずなんだがな…」
ビブルカードはエースの手のひらで前へ前へと動いている。
だんだんと大きくなる動きにこの町に水琴がいることを確信する。
「もうすぐだ…」
待ってろよ、とぎゅっとビブルカードを握りしめエースは足を踏み出した。
「なァ、ちょっと聞きたいんだが…」
「ったく、どこ行ったんだチョッパーの奴…」
買い出しを終え、大量の荷物を背負ったサンジは通りの真ん中で立ち尽くしていた。
先程別れた場所まで戻ったが、チョッパーの姿は見えない。
実は休むために入りこんだ馬車でカトレアまで運ばれているのだが、そんなことサンジが知るはずもなく。
先に戻ったか、とサンジはみんなが待つ町の外れへ向かおうと踵を返す。
「おっと、失礼」
「あァいや、悪い」
荷物のせいでよく見えず、振り向きざまに人に軽くぶつかる。
一言詫びすれ違うが、ふとサンジは気になり振り返った。
ぶつかった男はそのまま人込みの中へ消えていく。
明らかに住人ではない、自分達と同じような空気の男。
品物を売り込んでいる露店の男へ声を掛け、懐から何かを取り出す。
「ありゃあ、ルフィと水琴ちゃんのじゃねぇか…」
ちらりと見えた知人の顔写真にサンジは目を細める。
「一体何なんだ……?」