第52章 合流
「おいおい。ビビ今さら何言ってんだ」
「あんた、この期に及んでまだそんなこと言うわけ?」
「何があるか分からないのは海も一緒さ」
「砂漠越えか…面白そうじゃねェか」
「俺も、頑張るぞ!」
迷うビビに次々と声を掛ける麦わらクルー。
「言ったでしょ?一人じゃないって」
「……ありがとう」
それぞれの声を聞き、ビビは決意する。
「改めて、私からお願いさせて。みんなの力を、私に貸して下さい!」
「やっと言ったわね」
ビビの言葉にナミは笑う。
他のみんなも同じ気持ちのようだ。ここで拒否する者は誰もいない。
「ってことは砂漠越えの準備をしないとってことだな」
「えぇ。食糧や水、それに服を準備しないと…」
必要なものを上げていくビビとサンジの手元を覗く。
結構な量になりそうだ。
「私も一緒に行こうか?」
この中で町を堂々と歩けるのはサンジとチョッパー、水琴のみ。
荷物持ちは多い方がいいだろう。
「いや、水琴ちゃんはルフィを捜してきてくれ。準備が出来次第すぐに出発できるようにした方がいい」
「それもそうだね。了解」
サンジの言葉に頷く。買い出しは二人へ任せて、水琴は物陰から町へ出た。
砂漠の町らしい活気が溢れている。
ここだけ見れば、この国で暴動が起きているとは誰も思わないだろう。
「さて、ルフィは…」
風を飛ばしルフィの気配を探す。
「…なんで町の外にいるの」
予想外の場所で見つけがっくりと肩を落とす。
路地裏に隠れ目立たぬよう風になると、水琴は町の外へ飛んだ。