第51章 空に舞うは桃色の雪
「なに、何の騒ぎ…?」
がちゃり、とナミが廊下へ現れた。
「ナミ!駄目戻って!」
「え、水琴?」
あんた何してんの、と呆れるナミを見てワポルがにやりと笑う。
「はっはっはぁ~!人質発見!」
「きゃあ?!」
突然現れたワポルに驚くナミ。
「貴様も麦わらの仲間だな!人質にしてやる、待てぇい!」
「いやぁぁ!!!」
バタバタと逃げていくナミを追い掛けていくワポルを追おうと足に力を入れる。
「っつう…?!」
右足に嫌な音と共に激痛が走った。
見れば先程よりも赤く腫れている。
ずっと歩きまわっていたから悪化したのだろうか。
「Dr.くれはに殺される…」
別の意味で汗が流れる。
それは後で考えようと、水琴はナミを追った。
「ナミ!!」
追いついた先ではナミがワポルに床へ押さえつけられていた。
風を起こしワポルを吹き飛ばそうと手を振り上げる。
「じゃまぐちぃぃいい!!!!」
水琴が手を振り下ろすよりも先に、ルフィの腕がワポルを弾き飛ばした。
「ルフィ…」
ほっとして二人へ駆け寄る。
上着をボロボロにされたことに怒るナミに対して、ルフィは慌てて謝っている。
「まぁいいわ。利子つけて10万ベリー。あんたに貸しね」
「はっ!そうなることを見込んで貸したなお前!」
いつも通りの様子で何よりです。
「ぐ…貴様ら、どいつもこいつも…」
よろりとワポルが起き上がった。
「そうやっていられるのも今のうちだ麦わら!この先は武器庫!ありとあらゆる武器が置かれている!」
あ、展開が読めた。
朗々とルフィ達を倒す算段を説明し、鍵を開けようと懐を探るワポル。
「そしてその武器庫の鍵がぁ~~……ない!」
空をつかむ手。
………
「まだまだぁ!」
「あ、待て!」
だっと走りだしたワポルをルフィが追う。