第47章 亡国
「水琴はそこに居ろ!」
「ゾロ!!」
あっという間に下へ降り、サンジと共に暴れ始める。
「うん、この船はマズくない…ん?」
むしゃむしゃと咀嚼するワポルの目の前にルフィの腕が迫る。
「吹っ飛べェ!!」
「ぶはぁぁあああ?!?!」
まともに腹に受け、ワポルはものすごい勢いで飛んでいった。
きらん、と星になるのを見てチェスとアフロマリモが慌てる。
「ワポル様ぁ~~!!」
「早く追い掛けろ!ワポル様はおカナヅチであらせられるのだぞぉぉ?!」
「何だったんだ、ありゃあ…」
台風のように過ぎていった彼らを呆然と見送るウソップ。
「あの人…どこかで見たような」
いつの間にか甲板へ出てきていたビビが首を傾げていた。
一騒動あったが、ワポルが現れたということはドラム島はもうすぐだろう。
気を取り直し、水琴は風を生みメリー号を走らせた。
***
無事にドラム島を見つけ、接岸したルフィ達を待っていたのは住人達の銃口だった。
「上陸は許されない。即刻この島から出ていけ、海賊ども」
住人に交じり、ドルトンが冷たくルフィ達を見下ろす。
「なんでだよ!俺達は医者が必要なんだ!」
「そんな手に乗るか海賊!」
「そうだ、早く出て行け!」
ルフィの言葉にも耳を貸そうとしない。
そこで水琴は思い出す。この国が、黒ひげによって滅んだことを。