第47章 亡国
「おいお前ら…!……」
事態を確認し、サンジは煙草に火を付け煙を吐いた。
「…で、これはどういうことだ?」
目の前には銃を向けられ囲まれたクルー達。
「見た通り、襲われてんだ、俺達」
緊張感の欠片もない様子で答えるルフィ。
「見りゃわかるそんなの。…て」
ふと視線を上げ見張り台を目にしたサンジはカッと目を見開く。
「てめェくそマリモ!何水琴ちゃん抱きしめてんだおらァ!!」
「言うに事欠いてそれか素敵まゆ毛!!」
「ゾロ暴れないで!撃たれる、撃たれるから!」
「お前達に聞きたいのは他でもない。我々はドラム王国への道を探している。ログポースか、それらしい島を知らないか?」
ワポルがルフィへと詰め寄る。
ドラムの名は水琴は知っているが他のクルーは知らない。
自分さえ黙っていれば去ってくれるだろうと水琴は沈黙を守る。
「ログポースもねェし、そんな島も知らねェよ!なんだよお前ら。早く帰れよ」
突然針路を邪魔されたルフィはご立腹だ。
「そうか、知らないんじゃしょうがねぇ…ありったけの積荷だけ頂いていくとしよう」
「はぁ?!」
急な強奪宣言にウソップが声を上げる。
「誰がやるか!さっさと出て行けよお前ら!」
「そう喚くな。そうだな、それに少し小腹が空いたな…」
突然ガバリと口を開け、メリー号の手摺に噛みつく。
そしてそのまま食いちぎった。
「船を食ったァ?!」
ぎゃー!と叫ぶウソップの声を合図にルフィが飛び出す。
「止めろお前!船を傷つけんなァ!!」
殴りかかるルフィの前に敵が立ちふさがる。
しかしそれをあっという間にノすルフィ。
「なんだ、暴れていいのか」
戦い始める船長を見てにやりと口元を上げるゾロ。
すらりと刀を抜いて周囲の敵を一瞬で切り倒すと、見張り台へ足を掛け飛び降りた。