第46章 いざ、ドラム島へ
「どこかに、島は…」
「みんな、聞いて!」
ナミを看ていたはずのビビが甲板へ出てきた。
何事かとクルーが集まる。
「どうした?ビビ」
「さっきも言ったけど、今アラバスタは大変な状況にある…もう、一刻の猶予もないの」
強い決意を秘めた瞳でルフィ達を見下ろす。
「船に乗せてもらっている身で、こんなことを言うのも悪いと思ってる。けど、この船に出せる全速力でアラバスタへ向かってほしいの」
「………」
ビビの言葉に、誰も言葉を発しない。
その沈黙にもめげることなく、ビビは続ける。
「__だから、早く医者のいる島を探しましょう」
「ビビ……」
「一刻も早くナミさんの病気を治してアラバスタへ。それがこの船の“全速力”でしょう?」
「……あぁ、もちろんだ。それ以上速度は出ねェ!」
にしし、とルフィが笑う。
マストからその様子を微笑みながら見守る。
多くのものを背負いながら、それでも大事なことは忘れない。
「あなたの娘はすごい人だよ、コブラ王…」
ビビの決意に自分も負けていられない。
風を生み出し、精神を集中させる。
リトルガーデンの後は、ドラム王国。
そこで“船医”チョッパーが仲間になる。
内容は思い出せないが、どの島に寄るかは知っている。
そして島のことさえ知っていれば、なんとかなる。
「__風詠み」
風が水琴の目となり耳となり海を駆ける。
一瞬、閉じているはずの水琴の目に雪の降る島が見えた。
ぱちっと目を開け下に呼び掛ける。
「ウソップ!針路を十時の方向に変更!」
「急に何だよ?!」
「風が教えてくれたの!十時の方向に、島がある!」
「なに、本当か水琴ちゃん!」
「よっしゃ、十時だな…!」
一気に動き始めるクルー。
「突風…!」
再び風を生み、メリー号はドラムへと走り始めた。