第46章 いざ、ドラム島へ
「ナミさんの様子はどうだい?ビビちゃん」
消化に良いスープを手にサンジが船室を覗く。
「サンジさん。今は落ち着いてるけど、熱は上がる一方…」
汗をかいた服を着替え、先程よりかは楽そうだがそれでも熱は下がらない。
何度目か分からないぬるくなったタオルを変える。
「さっきの揺れは?」
「それが急にハリケーンが現れてさ。ナミさんの言った通りだったよ。早めに気付けてよかった」
目が覚めて、平気そうならあげてやってくれ。とスープを置き立ち去るサンジ。
サンジの言葉に、ビビは苦しそうに息をするナミに目をやる。
グランドラインのハリケーンは前兆がないと言われている。
それを、理論だけではなく感覚で掴み、ナミは予測したのだ。
「こんな航海士見たことない…」
ぎゅっと拳を握る。
早く帰らないと。
百万人の民が、今も傷つき倒れている。
「ナミさん……」
そんなビビの心情を理解し、自分のことはいいからと無理して笑ったナミ。
ビビは決意し、立ち上がった。
***
マストに登り、水琴は海の先を見る。
寄り道はしないとナミは言ったが、放っておいて大丈夫なはずがない。少しでも早く島を見つけ、医者に見せないと。
さっきからメリー号は水琴の風でかなりの速度で進んでいる。
もちろん、ナミの身体に影響しない程度にという配慮は忘れていない。