第44章 古代の島
「さて、俺も行くか」
ぐきりと首を鳴らしたゾロが甲板から飛び降りた。
「ちょっと、どこ行くの?」
「散歩。やることもねェし、その辺ふらついてくる」
「散歩ってお前…」
そんな悠長なこと言ってられねぇだろと呆れるウソップを尻目にサンジがゾロを呼び止める。
「ついでになんか食糧調達してきてくれ。食いもんが足りねェんだ」
「あぁ分かった。お前が獲れないようなでっけぇ獲物捕まえてきてやるよ」
「…なんて言ったてめェ」
ゾロの挑発に乗るようにサンジが飛び降りる。
「俺に獲れない獲物だと?ふざけてんのかてめェ」
「はっ、じゃあどっちがでけぇ獲物とれるか競争だ」
「上等だ。お前よりもでっけぇ獲物獲ってきてやるよ」
「…あの二人、仲良いのか悪いのかどっちなんだろ…」
突如始まった狩り勝負を見下ろし溜息をつく。
「どいつもこいつも、船降りちゃって…」
ナミの哀愁漂う背中がマルコと重なる。
マイペースなクルーが多いとまとめ役は大変である。
ふわ、と水琴はあくびをして船室へと向かう。
「どこ行くの?」
「ごめん。ちょっと眠くなっちゃって」
船室で休んでるから何かあったら声掛けてー、と水琴は二人に手を振った。
ぱたんと閉まるドアを見つめ、静かになった甲板でようやく自分達だけになったことに気付く二人。
「……頼りねー」
「それはこっちの台詞よ!!」
リトルガーデンでの冒険が始まった。