第44章 古代の島
しっかりと安全を確認した上で、ナミの指示により水琴は風を止める。
錨を固定し、ジャングルの真ん中でメリー号は動きを止めた。
「これからどうするか対策練らなくちゃ…」
「食糧調達は川の近辺だけにして、極力奥地に入るのはやめた方がいいかもね」
「そうね。あまり下手にうろつかないで船の上でログがたまるの待った方がよさそう。この島ってどれくらいでたまるのかしら…ってルフィ?」
ナミが視線を移せばきらきらと輝く笑顔。
「サンジ!弁当!野菜なし、肉たっぷりの海賊弁当くれ!!」
「あんた、まさか…」
「おう、冒険行ってくる!」
「あんた人の話聞いてた?!」
「いいじゃねぇかよー。冒険!冒険!」
わくわくと気持ちを高ぶらせるルフィを止められないと感じたのか、ナミがぐったりと項垂れる。
「ねぇ、私も一緒に行っていい?」
「ビビ?!」
まさかの王女の申し出にナミが声を上げる。
「何言ってんのあんた!ルフィはともかく、ビビには危険すぎるわよ!」
「そ、そうだって!大人しく待ってろよ」
「じっとしてると色々考えちゃいそうで…大丈夫、カルーもいるし!」
「本人心の底から驚いてるけど」
「水琴も行くか?」
ルフィに誘われたが、水琴ははっきりと首を横に振った。
「私はいい。船で留守番してるね」
「なんだよ、面白そうなのに」
「ジャングルは苦手なの」
若干青ざめた顔でジャングルの奥を見つめながら腕をさする。
「虫嫌い……」
ただの森ならばまだ我慢できるが、ジャングルだと大ぶりでグロテスクな奴らが山ほどいる。
以前ばったり遭遇してからどうも密林だけは苦手だった。
必須でなく希望制ならば出来れば辞退したい。
「あぁ、そんなところも可愛らしい水琴ちゃん!」
「というわけで、行ってらっしゃい」
サンジに作ってもらった弁当を持ちジャングルへ消えていくルフィ達を見送る。