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【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第44章 古代の島





 「あそこに河口が見えるぜ」

 船の先を見つめていたゾロが声を上げた。つられて皆もメリー号の先に目をやる。

 そこにはメリー号も通れるくらい大きな河口があった。

 「水琴、お願い」
 「了解!」


 ナミに言われ風を起こす。

 緩やかな風に押され、メリー号は静かに河を遡っていった。
 
 「焼き肉屋あると良いなぁ」
 「んなもんあるか!」
 「だって食糧補給するって言ったろ」
 「材料を集めるんだ!ったく何考えてんだてめぇは」

 サンジに突っ込まれちぇー、と口を尖らせる。

 「でも上陸は危険だわ。大体見てよこの植物。私図鑑でも見たことないわ」

 ナミの指差す先は確かに普通の島ではお目にかかれないような物ばかり。

 「なんか、時代が違うみたい…」
 「時代……」

 水琴の呟きにナミが考え込む。

 「大丈夫、こんなのただのジャングルさ。食糧調達して、ログがたまったらとっとと出ようぜ」


 女性陣を安心させるように言うサンジの背後に黒い影が差した。

 それを目撃したナミと水琴は思わず逃げる。


 「…?おい、一体どうし…」

 振り返ったサンジの眼前に鋭い爪が迫る。

 「おぉっ?!」

 間一髪のところでかわしたサンジの頭上をそのまま巨大な鳥がすり抜け森へと消えていった。

 「てめぇ!この、何すんだくそ鳥!!」
 「おい、見ろよあれ…」


 ウソップが指差す先には通常の二倍はあるトラ。
 のっそりと現れたトラは、突如血を吐き地面へと沈んだ。


 「な、何あれ何あれ?!信じられない!なんでジャングルの王者のトラが血まみれで倒れるのよ?!」
 「一体この島どうなってるの…」


 目の前で起きたことに愕然とするナミとビビ。
 この短い時間でこの島がただのジャングルではないことに気付き始めた面々は気を引き締める。


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