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【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第44章 古代の島






 「おー!島が見えたぞ!」






 水琴の風で勢いを増した船は通常よりだいぶ早く進み、目指す前方に島が見えた。


 ナミがログポースを確認し、頷く。


 「間違いないわ。あれがリトルガーデン…グランドライン二つ目の島!」


 メリー号はゆっくりと島へ近づいていき、ようやく肉眼でもその詳細が分かる位になった。


 生い茂る木々。


 ギャアギャアとどこからか聞こえてくる獣の声。


 「ここがリトルガーデンかぁ」

 島を見上げてルフィが感心したように呟く。

 「どの辺がリトルなんだ」
 「そんなかわいらしい名前の土地には見えないけど」

 ゾロとナミの言う通り、島にあるそのほとんどが一般的なものよりもやや大きい。

 気分はまるでジュラシックパークである。 

 「あながち間違ってないけど…」
 「な、何がだよ…?」
 「ううん、別に」

 ふとウソップから視線を外せばビビが神妙な顔をして俯いていた。

 「どうしたのビビ」
 「水琴さん。ちょっと、ミス・オールサンデーの言ってたことが気になって…」

 ミス・オールサンデーとは確かニコ・ロビンのことだった、と水琴は漫画の内容を思い出す。
 彼女とアラバスタに着く前に会っていただろうか?

 知っているはずのことが思い出せず水琴は首を捻る。


 「それって確か、私達が手を下すまでもなく全滅するってやつよね」
 「そ、そそそれじゃあ怪物でも出るってのかぁ?!」

 ナミの言葉にがくがくと震えるウソップ。

 「さぁなぁ」
 「上陸せずに次の目的地まで向かおうぜ!こんなとこ命がいくつあったって足りやしねェ…!」
 「でもすぐにはログはたまらないわよ」
 「それにそろそろ食糧も補給しねェとな。この前の街じゃなにもたくわえてねぇ」

 食糧庫を確認していたのだろう、サンジが手書きのメモを確認し付け加える。

 「結局、島に上陸はしないとダメみたいだね」
 「あぁ、何事もありませんように…」

 祈るように天を仰ぐウソップの肩を慰めるように叩く。
 この船に乗っている限り、何事もないってのは無理な話だとは思うが、なんだか同情せずにはいられない。

 

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