• テキストサイズ

【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第44章 古代の島





 「なぁなぁ、速度も上げられんのか?」

 ウソップが水琴の肩をつつく。
 それに水琴は頷いて、目を閉じた。


 「__突風」


 水琴の呟きに合わせ風が生まれる。

 一瞬風は水琴の周りを廻ったかと思うと、船を包んだ。


 次の瞬間メリー号の帆が大きく膨らむ。


 ゆったりと進んでいたメリー号が突如速度を上げた。

 急発進にウソップやカルーが甲板に転がる。


 「うおおおおーーー?!」
 「クワーッ!!」
 「おっほーっ!すげぇすげぇ!」

  





 「すごい、これなら次の島まであっという間かも…」

 
 手摺に掴まり、ビビはぐんぐんと突き進むメリーの行く先を見つめる。


 「こんなことしかできないけど」


 ビビの横、水琴が並び笑い掛ける。


 「アラバスタまで早く着くよう、私も力を貸すから」


 一人で抱え込まないでね、と言えばビビは驚いたように目を見開いた。

 「水琴さん…」





 彼女を見ていると、昔の自分を見ているようで少しむず痒い。


 この世界に来たばかりの頃、迷惑を掛けるのが嫌で、全てを抱え込み一人で解決しようとしていたあの時の私。


 そんな私を家族として温かく迎え入れてくれたモビーのみんなを思い出す。




 「大丈夫。きっと、ビビの願いは叶うよ」









 
 願わくば、ビビにとって麦わらのみんながそういう存在となりますように。



/ 1122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp