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【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第44章 古代の島




 
 「ふーん。じゃあルフィ達はアラバスタを目指してるんだ」


 宴によりすっかり打ち解けた水琴達。

 いつしか話はビビの話にまで及んでいた。


 「おう!ビビを家まで送り届けるんだ」
 「そっか。早く帰れるといいね」

 思わずモビーのみんなを思い出し水琴は微笑む。


 「なぁ、水琴は新世界の海を冒険してたんだろ?やっぱ強ぇのか?」


 突然ルフィがきらきらした笑顔で水琴に尋ねた。

 
 「え、弱い弱い」

 即座に手を振り否定する。
 下手に曖昧にすると勝負を吹っ掛けてきそうなのでここはきっぱりと宣言する。

 「でも、お前白ひげ海賊団なんだろ?あの四皇のクルーなんだから弱いってこたないだろ」
 「偏見はダメだよウソップ。白ひげのクルーだからって全員戦闘員とは限らないでしょ?」

 私は非戦闘員だし。どっちかというと伝令扱いかなぁと続ける水琴の言葉にナミが首を傾げた。

 「伝令って、それだって危険じゃない?非戦闘員がすることなの?」
 「私の場合は特殊だから」


 答えながら、水琴は片手を上げる。
 水琴の手のひらで小さな風が生まれ、ルフィの髪を撫でていった。

 
 「なんだ今の?」
 「驚いた?私はカゼカゼの実を食べたの」


 ふわりと風が甲板を滑る。


 「へー。便利なもんね。ある意味一番役に立つかも」
 「それどういう意味だよナミ?」
 「考えてもみなさいよ。この船の動力は何?」
 「風…だな」

 ナミの問いかけにゾロが答える。

 「なるほど、風を自由に操れれば船の針路も思いのままってわけか」
 「そう!海軍から逃げるのだって簡単だわ」

 サンジの言葉にナミはきらきらと顔を輝かせる。


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