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【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第43章 麦わらとの出逢い






 「ビブルカードの動き方からして、水琴は前半の海にいる可能性が高い」

 モビーの進む方向とは逆の方向を示し続けるビブルカード。

 「エース。お前一人で水琴を見つける自信があるか?」
 「……あァ」

 白ひげの問いに静かに応える。

 「見つけてみせる。絶対に」
 「……そうか」

 息子の答えに小さく頷くと白ひげは立ち上がった。

 「ストライカーを出してやれ」
 「親父……!」
 「いいかエース。俺達は魚人島近海で待つ。お前は先に出て水琴を迎えに行ってやれ」

 「あァ!」

 ありがとな親父!と今度こそ部屋を飛び出していく。



 「はァ、水琴ちゃん大丈夫かな…」
 「サッチ、てめぇには後で言いたいことがあるよい」
 「あーあー分かってるよ。これでも反省してんだっての」

 珍しくしょげた様子でサッチがリーゼントをかき上げる。

 「グララララ!まァ水琴も俺の娘だ。ちょっとやそっとのことじゃあくたばらねェさ」

 エースを信じて待つとしようじゃねェか、と言う白ひげの言葉に顔を見合わせる。



 「…ってかよォ…」
 「あいつも大丈夫かよい」



 ストライカーで、新世界から前半の海へ。


 破天荒な末っ子の様子を思い出し、道中を案じる二人だった。





















 少し走ったところでストライカーを止める。


 振り返れば、もうモビーの姿はどこにも見えなかった。



 最低限の荷物と、定時連絡用にと渡された電伝虫が入ったバッグを背負い直す。
 ポシェットからビブルカードを取り出し、ログポースで最初の島の位置を確認した。


 「…待ってろよ、水琴」





 すぐ迎えに行ってやっから。


 その日まで、どうか無事で。













 小さな願いを込め、エースは逆走する。



 前半の海へ。




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