第5章 白ひげクルーとの日常 1日目
モビーディックの甲板にクルー達が集まっている。
その中心には小さな荷物を背負ったエース。
「気を付けろよ!」
「飯食いながら寝るんじゃねェぞ!」
今日からエースが白ひげの使いのため船をしばらく留守にする。
「あ、水琴!」
「エースさん、気を付けて行って来て下さいね」
「あァ。水琴も気を付けろよ?」
「大丈夫ですよ、そんなに心配しなくても」
「何かあればすぐマルコとかに言えよ。サッチがセクハラしてきたら容赦なく殴れ」
「え、エースの中での俺の扱いって何?」
槍玉に挙げられたサッチが呟くがエースは気にせず続ける。
「夜はしっかり戸締りをしろよ。あと甲板にはあんま出るなよ。落ちたらあぶねェし。それと……」
「うるせェよい」
「いてェ!!」
くどくどと注意点を挙げ連ねるエースの頭にマルコの踵落としが見事にめり込んだ。
「何すんだよマルコ!おれはただ水琴に注意事項を…」
「なげェんだよい!お前は母親か!さっさと行きやがれ!」
しっし!と手を振られしぶしぶと手摺に飛び移る。
「んじゃ、行ってくる!」
「行ってらっしゃい!」
ストライカーが遠ざかる。
期間は一週間。
思えばエースがいないモビーでの生活はこれが初めてだ。
無事に乗り切って、心配性のエースを安心させてあげないと!