第41章 誓い
「目に見えて分かるとこには彫るな」
「……?」
「条件はそれだけだ」
「え……、え?」
「そういやァ正式な所属を決めてなかったな」
白々しい白ひげの言葉にマルコは黙って一歩前に出る。
「水琴。今日からお前は一番隊隊長補佐だよい」
「……隊長、補佐?」
「って言ってもやることは今までと変わらねェ。事務作業の手伝いと各隊の業務を円滑に進めるための補佐だ。あとは伝令としての仕事もやってもらう」
「伝令……」
「お前の風を活かすにはもってこいだろい」
戸惑い水琴は周囲を見渡す。目が合うと白ひげはその眼を細めた。
「お前の覚悟、確かに受け取った」
「__っ」
「エースの力を借りたとはいえ、咄嗟の機転と判断力はなかなかのもんだ。
__さすが、俺の娘だな」
「~~~っ」
感極まり水琴は白ひげの足に抱き着く。
「親父さん、好きーー!」
「グララララ。おい、鼻水つけんじゃねェぞガキンチョが」
「無理ですぅぅぅうう!」
ぐりぐりと頭をこすりつけてくる娘に、白ひげは今度こそ声高く笑った。
ようやく収まるところに収まった親子喧嘩にエースとマルコは黙って顔を見合わせ頬を緩ませる。
その日、モビーでは久方ぶりの宴が開かれた。