第41章 誓い
「この世界を選んだのは、みんなにただ家族として甘やかしてもらいたいからじゃない。
……最後まで、精一杯生きるみんなと、生きたかったから」
都合のいいところだけ見せられて、甘い夢の中穏やかに微睡みたいなら、そもそもこの世界を選んでなんかいない。
たとえ傷つき、泥にまみれようとも。
海賊であることで後ろ指さされる未来がこようとも。
”今”を精一杯生きる、彼らと共に歩む。歩みたいと思ったから。
「覚悟がないなんて、たとえ親父さんにだって言わせない」
「私が生きる場所は、私が決めます」
それが私の覚悟。
「私からは以上です」
「……そうか」
黙って話を聞いていた白ひげはただそう呟く。
「約束通り、好きにするのは無しだ」
「…………」
静かな白ひげの最後通告を水琴は黙って俯き受け入れる。
涙をこぼすところは見せたくなかった。