第41章 誓い
「……?」
作業を見守っていた水琴は微かな揺れを感じた。
作業によるものかと思ったがそうではなさそうだ。
懐かしく感じる小さな揺れに、水琴は代表との話を思い出す。
この島は温泉を名物とするくらい湯量が豊富なこと。
地震はめったに起こることがなく、先日の地震も”神の祟り”と恐れられていたこと。
そして脳裏を刺激するのは元居た世界での知識。
地震大国であった日本。大きな地震の後は様々な二次災害の被害がニュースを飾った。
津波、火災、そして土砂災害。
土砂災害は水分を多く含んだ地層で起こりやすい。
集中豪雨の後山で地滑りが起こったというニュースはよく耳にしていた。
__もし。
もし、今また大きな地震が起こったら?
豊富な地下水資源を持つ山。先日の地震で緩くなっているだろう地層。
大きな地震の後は余震も油断できない。もし、今__
「いくぞー!」
誰かの声で我に返る。
どうやら準備が整ったようだ。
長い導火線に火を点けようと火種が近づけられ、そして___
地面が大きく揺れた。