第41章 誓い
「__出来ると思うか」
迷いの無い目を思い出しエースは笑う。
「出来るさ。あいつは、やるよ」
「やけにはっきり言うじゃねぇか」
「水琴だからな」
「答えになってねぇよい」
「そうか?__お、噂をすれば」
穏やかだった甲板に風が生まれる。
「エース!見つけた、あったよ!」
ふわりと風の中から現れた水琴は喜色を滲ませエースへと駆け寄る。
直接確認もしに行ったのか、その髪には木の葉が数枚巻き付いていた。
「代表の人とも話を付けて、さっそく明日から作業に取り掛かるって!
どれくらい掘らなきゃいけないか分からないけど、うまくいけば期限内に復活させられるかも!」
興奮していた水琴はそこまで一気にまくしたてるとようやくエースの隣にマルコがいることに気が付いた。
「あ、いたんだマルコ」
「あ、とはご挨拶だな。全く目に入ってなかっただろい」
「ごめんごめん、嬉しくてつい。じゃあ私少し休むから」
もう今日出来ることはない。明日に備え英気を養おうと水琴は船内へと戻っていった。
「な。言ったろ?」
「まだ断層を見つけただけだ。本番はこれからだろい」
「ほんと慎重派だな。あんま難しく考えすぎるのもつまんねェぞ」
「お前は楽観的過ぎるんだよい」
素直になりゃいいのに、と呟けば頭を小突かれる。
「軽口叩けるくらい余裕なら明日の分も点検してもらおうか」
「はァ?!絡んできたのそっちじゃねェか!」
「うるせェよい。どうせ明日水琴の様子見に行くんだろ。なら今日中に全部終わらせておけよい」
文句を上げたエースだが続いた言葉に口を閉じる。
実質”明日は休んでよし”のお達しににやりと笑った。
「分かってんじゃねェか。おーいお前ら、これも追加な!」
作業を続けていたクルーに駆け寄り加勢する。
現金な弟分の背中を見送り、マルコもまた仕事の続きをするため自室へと戻った。