第41章 誓い
島民に協力してもらう方法もあるが、仕事もあるし地震の余波でまだ復旧作業を行っているところもある。あまりこちらに人手を割いてもらう訳にもいかない。
「だから断層を見つけるのは私だけでやる」
「正気か?山歩くだけでもキツイぞ」
「歩かないよ、コレで探すから」
そう言って手を軽く振れば生まれるのは風。
「__風詠み」
意識を集中させ風に見聞色の覇気をのせる。
風は水琴の目となり耳となって山を駆けた。
最近習得した技だがこういった探索には便利だ。
瞼の裏に映る景色に何か手がかりはないかと慎重に探る。
しかし暫くは鮮明に映っていた景色も次第にぼやけ、消えてしまった。
どっと押し寄せる疲労感に目を開ける。
「……つ、疲れた」
「今でざっと十五分だな」
「十五分?!」
三十分は経っていると思った。全く進んでいない針に疲れが一気に増える。
「もう一回……っ」
水を飲み一息つくと水琴は再度挑戦する。
しかしやはり今の水琴には十五分くらいが限界で、どこまで確認したのか地図と照らし合わせて探すため余計に手間はかかり作業は遅々として進まなかった。