第41章 誓い
気が付けば朝だった。
よっぽど疲れていたのか昨日ベッドに潜り込んでからの記憶がほとんどない。
ある意味それでよかったのかもしれない、と潜り込む原因となった記憶をうっかり思い出しかけすぐさま頭を振りかき消す。
当の原因となった張本人は朝食バイキングのメニューを嬉々として制覇していた。
「食わねェの?」
「……うん、ちょっともうお腹いっぱいかな」
代金を払っていないのが申し訳なくなる食べっぷりだ。後でちゃんとお礼を言っておこう。
宿を出た水琴は早速もう半分の源泉も確認していく。
事前に場所の確認をしていたおかげで昼過ぎには全ての源泉を確認することが出来た。
「やっぱり、山の上の方だと思うんだよね」
休憩がてら立ち寄った喫茶店で地図を広げ、水琴は山の中腹を指さす。
「温泉が涸れた日付を書いてみたんだけど山頂に近い方からだんだん広がってるんだよね。たぶん湯脈が途切れたあとも麓の方は地下水脈に残ってた温泉で少しもってたんだと思う」
そして最初に温泉が涸れた日付は地震の数日後。
「やっぱりこの地震が原因なんじゃないかなぁ」
温泉が涸れる前に水質が濁ったとも聞く。
おそらく地層がズレたことで温泉に土が混ざったんだろう。
「だから後は断層が起こった場所を突き止めて、もう一度繋げてやるなりそこから麓までお湯を引くなりすれば復活すると思うんだけど…」
「山っていっても広いぞ。どうすんだ?」
「そうなんだよね」