第41章 誓い
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人間腹が膨れると大抵のことはどうでもよくなる。
この島名物という魚料理を満足いくまで堪能した水琴は、まぁ同じ部屋といっても一つのベッドに並んで寝るわけでもないし別にいっか、と先程の動揺は何だったのかというくらい落ち着いていた。
好意で沸かしてもらったお風呂でさっぱりした後部屋に戻る。
鍵を開け入れば清潔感のあるナチュラル調の部屋が広がっていた。
「わぁ、可愛い!」
明るい木目調の家具に女性ウケしそうな小物がさりげなく配置されておりまるでモデルルームのようだ。
テーブルにはサービスなのか、新鮮なフルーツがカットされ盛り付けられていた。
普通に泊まればおそらく水琴のお小遣いでは無理だろうその部屋に、疲れていた身体を忘れはしゃぐ。
「何突っ立ってんだ?」
「あ、エース。お帰り__」
背後から聞こえた声に振り向き挨拶を返すが途中で止まる。
向こうも風呂上がりなのだろう。まだ僅かにしめっている髪を肩にかけたタオルで乱雑に拭きながらエースが立っていた。
最初からどこかで泊まろうと考えていた水琴と違い着替えを用意していなかったエースは宿のルームウェアを借りていた。
ゆったりとしたハーフパンツに前開きのパーカーを軽く羽織っているのだが、暑いのか前は開かれたままで綺麗に割れた腹筋が惜しげも無く晒されている。
………これは。