第41章 誓い
話を聞いたところ、この温泉だけでなく島中の温泉がこのような状態らしい。
お湯の配管設備も見せてもらったが整備士の話では目立った故障はなし。
もし故障が原因ならすべての温泉が涸れる理由にはならないので、設備の不具合ではないだろう。
となると……
「こちらの温泉はどこから湧出してるんですか?」
「宿の裏手の源泉だよ。そこから湧き出ているのをタンクに貯めて利用しているんだ」
「源泉を見せてもらっても?」
「あぁいいよ。でもここと同じようなもんだよ」
そう言って見せてくれた源泉はやはり同じようにうっすら水が張っているだけで頼りない。
「湯脈が閉じてしまってるのかもしれませんね」
「湯脈?」
「温泉が流れている地下水脈みたいな感じ。自然に湧き出ているのを利用している温泉の場合、地震とかでその湯脈が閉じちゃうと涸れたように見えるの。確認するには他の源泉も確認しないと…」
説明しながら水琴は問い掛けの主を困ったように見る。
「__で、どこまでついてくる気なのエース」
「なんだよ、邪魔か?」
「邪魔じゃないけど…親父さんから手を貸すなって言われてるでしょ」
「別に手を貸すためについてきてるわけじゃねェよ」
「ならいいけど……」
絶対手は出さないでよね!と言えばやる気のない返事が返る。