第41章 誓い
「___ですので、来ていただいて申し訳ないのですが今はどこも温泉が湧いていない状態で…」
「それは時間を置けばまた湧き出す可能性はあるのか?」
「現在調査中で、今は何ともお答えすることが出来ず…」
「ちっ、弱ったな」
「本当に申し訳ありません」
「あんたらのせいじゃねェよい。大変だったな」
肩を叩いて慰労するとマルコはその場を離れる。
あとには肩を落とす代表者だけが残された。
「……あの、すみません」
黙っていられなくて声を掛ける。
壮年の男性は突然話しかけられはっと顔を上げると水琴に柔らかな笑みを向けた。
「あ、あぁ。なんだい?」
「温泉のことなんですけど……」
「あぁ、話を聞いていたのかな。そうなんだ。せっかく白ひげ殿が来てくださったのに、申し訳ないことをしたよ」
「今までも温泉は涸れたことがあったんですか?」
「いや、この島始まって以来だよ。おかげで皆困惑している。”神の祟り”じゃないかって」
この前も大きな地震があって家屋に大きな被害が出たという。
「ようやく持ち直してきたところだっていうのに…」
「___あの、もしよろしければなんですが」
話を聞き、水琴はある可能性に思い当たる。
推測と共に持ち掛けられた提案に男性はぎょっと目を瞠った。
「それは願ったり叶ったりだが…本当にいいのかい?」
「結果は保証できませんが…もし任せていただけるなら」
元気づけるよう、水琴はにっこりと笑みを浮かべた。
「私がもう一度、温泉を蘇らせてみせます」