第3章 初めての島
「あぁ…マルコさんに怒られる」
「海賊に騒動は付き物だって!」
「そんなこと言って…?!」
目の前から飛んできた鉄球に言葉を飲み込む。悲鳴を吐き出す前に跳躍し地面へと逃れた。
下には海賊風の男たちが待ち構えている。
どうやら先ほどのしてきた海賊たちの仲間らしい。
「てめェ、よくも船長を…!」
殺気立った海賊たちがそれぞれ獲物をぎらつかせじりじりとにじり寄ってくる。
「どうやら見逃しちゃくれねェみてェだな」
「当たり前じゃないですか!どうするんですか?!」
「こうする。…炎上網!!」
「「「うぉぉおおお??!!」」」
エースが腕を振ると大きな炎の壁が海賊と私たちの間に奔った。
あまりの威力に息を呑む。
「ちょ、やりすぎじゃないですか?!」
「……あれ?」
やった本人も首を傾げている。
「加減したつもりなんだが…」
「どう見ても加減出来てませんよ!」
その後も立ちはだかる海賊や海兵を堂々と能力を使い退けるが、手加減していると言いながらその威力は半端ない。
「もう少し抑えてくださいって!」
「いや、ほんとに少し脅かすつもりなだけで…??」
心底不思議そうに首を捻っているエースだが、ようやく船が見えてきた。
「エースだァァァ!!」
「おい、戻ってきたぞ!!」
既に騒ぎは知れ渡っているのか、船は出航の準備をしていた。
「エース!!これは一体どういうことだよい!!」
甲板から切れたマルコが怒鳴り散らす。
それに綺麗な笑顔でエースが返す。
「悪ィ!見つかった!!」
「こんの馬鹿たれがァァァ!!!」
慌ただしく出航するモビーディック。
次の日も観光しようと思っていたクルーのみなさん、ごめんなさい……