第38章 特訓!カゼカゼの実
「と、いうわけで」
「何がというわけでだよい」
「コツを教えてください!」
度重なる失態に水琴はとうとうとある部屋を訪れていた。
椅子に座り向かいで仕事をするマルコに頭を下げる。
「そもそも俺は動物系で自然系じゃねェよい。エースに頼め」
「もう頼んだ」
「なら」
「“頭で考えるんじゃない!感じるんだ!”だって」
「あいつに期待した俺が馬鹿だった」
やれやれとマルコは座り直し眠そうな眼で水琴を見つめた。
「まず、だ。お前悪魔の実のことはちゃんと理解してるのかよい」
「…基礎的なことは」
どうやら教えてくれる気になったらしい。始まった講義に水琴は神妙に頷く。
「超人系、動物系、自然系の三つがあるんだよね」
「そうだ。うちの船でいうと超人系は親父やジョズだな」
「え、ジョズも超人系なの?ダイヤモンドだから自然系かと思ってた」
「まァ区別のつきにくいところではあるが。あいつの場合は“身体の一部をダイヤ化できる”異能力だから自然系とは別だな。基本的には肉体を保持し、超人的な能力を操るのが超人系の特徴だ」
裏紙に超人系と書き込みペンで囲む。
「続いて動物系。名前から分かるように動物へ変化することができる。人型・獣型・人獣型の三段階だな。
それと自然系。お前やエースのように自然物そのものに変化し操ることができる。三種類の中では一番希少な実だよい」
続けて動物系、自然系と書き込みそれぞれを丸で囲む。
「この中でも一番制御するのが難しいのが自然系だ。超人系はあくまで己の存在をベースに異能力が備わるものだからコツを掴むまでが大変だが掴んじまえばそうでもねェ。動物系は動物の特性に影響されることもあるがよっぽどのことがない限り自制できる。だが自然系はそれが難しい」
コツコツと自然系の文字を叩く。マルコはなんでだか分かるかと水琴に問うた。
答えを出そうとするが自分の実のことだというのによく分からず頭を捻る。