第3章 初めての島
「あ、私ゴミ捨ててきますね」
「あァ、悪いな」
噴水の縁に座っていた二人だったが、食べ終えたゴミをまとめ屋台へ一人向かう。
ドゴォッッッ!!!
と、近くの店の壁が突然吹っ飛んだ。
あまりのことに身体が硬直する。
「な、な、なななななな……」
「ぐっ、くそォ…!」
瓦礫からよろよろと立ち上がるのは明らかに海賊風の男。
「はっ、懸賞金1億7千万ベリーっつっても大したことねェな!」
「んだとてめェ!!!」
どうやら海賊同士の喧嘩らしい。
一般人もたくさんいるのにこんなところでおっぱじめないでほしい。
周囲にいた観光客が蜘蛛の子を散らすように逃げていく中、海賊たちの喧嘩は余計ヒートアップしていく。
武器抜いてるよ武器!
「うひゃあ!!」
足がすくんでうまく動けなかったため、すぐ傍で暴れる海賊たちに煽られ転倒する。
「水琴!大丈夫か?」
エースがすぐさま駆け寄ってきて手を差し出してくれる。
「はい…ありがとうございます」
返事をして立ち上がろうとするがずきりと足首に痛みが走り再びへたりこんでしまう。
「…足くじいたのか?」
「そうみたいです…」
「見せてみろ」
患部を見せれば相当きつくねじったのか、赤く腫れている。
情けなくて泣きそうになる。
「………」
「…エースさん?」
「邪魔だ餓鬼共!死にてェのか!」
「ひよっこはさっさと家帰って寝てるんだな!!」
「……あ゛?」
空気が、冷えるのが分かった。