• テキストサイズ

【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第34章 不穏な影





 少なくとも白ひげは、傘下だろうとモビーディックのクルーと同じように家族だと思っている。
 下種な海賊もいたものね、と水琴が呟くとがちゃりと突き付けられた銃が鳴った。

 「おい、自分の立場分かってんだろうな…?」
 「っ、」
 「おい、そいつは関係ねェだろ。離せ!」
 「関係なくはねぇな。こいつも白ひげのクルーだろう。仇討じゃねぇが、ここで火拳を討てば俺の株は一気に上がる。」

 連れて行け、という声に水琴の腕をつかみ男たちはその場を去ろうとする。

 「いや、離して!」
 「水琴!」

 水琴の声にエースは右手に炎をまとい、振り上げようと足に力を込めた。

 その途端響く銃声。


 当たるはずのないその衝撃に、エースは思わず膝をついた。

 エース!!と叫ぶ水琴の声が聞こえる。



 「…っ、んな……?」

 茫然と血が流れる身体を見る。撃たれた傷口からはとめどなく血があふれ、それと共に力も抜けていく感じがした。
 その感じは、他でも味わったことがある。

 そう、誤って海に落ちた時……


 「海楼石の弾だ。ざまあねぇなぁ火拳…?」
 「てめ、なんでこんなもの…」
 「ルートなんていくらでもあるんだぜ」



 見下ろす男が遠慮なく銃をエースに向かって振り上げる。

 「いい子に眠ってろよ、火拳」



 ガッ!!と鈍い音が響き、エースの意識は闇に沈んだ。




/ 1122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp