第24章 託された想い
「13…14……ほんとだ。14しか見えねェ」
「ほんとに15あんのか?」
「嘘だと思うなら屋根の上から見てみろよ」
軽々と屋根へと上ったエースが石の数を数える。
「まじだ……」
「すげェ設計したもんだな、銀蔵さんも」
「この庭はじいさんの故郷にある庭を模したもんなんだと。随分古い時代に作られたもんで、製作者は不明。若い頃は何度も足を運んだって話だ」
確か、庭の名前は___
「__龍安寺」
喜助の言葉を引き継ぐように水琴が呟く。
「龍安寺の枯山水の石庭、ですよね?」
「……その通りだ」
あぁ、やっぱり。
ここにも、いたのだ。
私よりもずっと昔。
長い長い時をこの世界で過ごした同郷の人間が。