第24章 託された想い
「ほら、追うぞ」
慌てる水琴の手を引きエースが駆ける。
視線の先には小さな背中がちらちらと見え隠れしている。
「急がねェと見失っちまう」
「うん!」
少し遅れて追いかけた二人だが、そこは大人と子どもの足の差。
あっという間に距離は縮まっていった。
少女が曲がった角を曲がると、門へと続く道が続いていた。
その門を少女がくぐるのが見える。
「ここって、昨日イゾウが立ってた…」
見覚えのある門構えに水琴は小さく呟いた。
「とりあえず入ろうぜ。別の入口から抜けられたら分かんなくなっちまう」
エースに続いて水琴も門をくぐる。
入ってすぐ建物が見えた。
塀から覗いていた屋根はこれだろうと水琴は年代を感じる建物を見上げる。
その建物の左手には門から繋がる石畳が点々と続く。
どうやら建物をぐるりと回りこんで裏手に行けるようになっているらしい。
「鍵かかってんな」
建物の入り口を調べていたエースがそう言って戻ってくる。
「裏行ってみるか。誰かいるかもしれねェし」
「そうだね。___あ」
石畳に沿って二人は裏手へ回る。
そこに広がる光景に水琴は息を呑んだ。