第23章 懐かしき故郷の影
「ほら水琴」
懐かしさに目を細める水琴の前に二人の手が差し出される。
「……うん!」
二人の手を取り、水琴はワノ国へ一歩踏み出した。
***
「美味しかった!」
「……俺、水琴がこんなに食べるとは思わなかった」
「おれも……」
ワノ国の料理を堪能し、満足げな水琴の少し後ろを苦笑交じりにエースとハルタが歩く。
「だって久しぶりだったんだもん!明後日には出航って言うし、食べたいものは食べておかないと!」
「水琴の故郷もこんな感じなわけ?」
「うーん、建物とかは全部が全部こんな感じとは言えないけど、ご飯は似てるってかほぼ同じだよ。まさかこの世界でも食べられるとは思ってなかったな~」
「へー。世界が違うのにおもしれェもんだな」
お、とエースが足を止める。
「イゾウじゃねェか」
「あれ、ほんとだ」
見れば一軒の家の前でイゾウが佇んでいた。
「イゾウ!」
「なんだ、水琴達じゃねェか」
声を掛け駆け寄ればイゾウも気付き水琴へと向き直る。