• テキストサイズ

【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第20章 赤髪





 「……で、だ」

 しばらく経った頃、シャンクスは盃を置く。

 「さっきからこっちに熱烈な視線を送ってるお嬢さんは誰だ?白ひげ」
 「「「…………」」」
 「グラララ…やはり放っといちゃあくれねェか」
 「あれだけ熱い視線を送られたら、男として見過ごすわけにはいかないだろ」
 「…だ、そうだ」

 出てきやがれ、と白ひげが声を掛ければキィ…と小さく音を立てて船内へ続く扉が開かれた。

 隙間から気まずそうな水琴の顔が覗き、その場にいた隊長クラスは全員溜息を吐いた。







 ***








 まさかばれるとは思わなかった。何気なく言われたシャンクスの言葉にどきりと心臓が跳ねる。

 親父さんの様子から、きっとみんなにばれていたんだろうと思うと少し気まずい。
 せめてこれ以上第一印象は悪くしないように、と水琴は丁寧に腰を折る。

 「…お邪魔してすいません」
 「へェ。こりゃまた可愛いお嬢さんだ」

 現れた水琴を見てシャンクスは手招きをする。

 覗き見していたことはあまり気にしていないようだ。
 だけどこれ以上邪魔していいんだろうか。

 ちらりと親父さんの方を見ると黙って頷く。
 許可が出たと受け取り、水琴はおずおずと中央へ寄っていった。

 シャンクスは完全に現れた水琴を一瞥し、ほぉ…と息を吐く。

 「こんな可愛い子隠しとくとは白ひげも水臭いもんだ」
 「誰が娘を簡単に見せるか。しかし見つかっちまったもんはしょうがねェ。水琴、挨拶しろ」
 「…白ひげ海賊団クルーの水琴です。はじめまして赤髪さん」
 「俺のことを知ってるのか。光栄だな」
 「有名ですから」
 
/ 1122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp