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【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第19章 二つの正義





 見入っていた水琴は背後に忍び寄る男に気付かなかった。


 背中から押さえつけられ、地面に縫いつけられる。


 「ホワイトスネーク!」


 しかしスモーカーの声と共に身体はすぐに軽くなった。


 見ればスモーカーの煙によって背後の男は壁に叩きつけられていた。
 
  
  
 「あ……」


 助けてくれたのだ。礼を言おうとスモーカーを見る。


 「!!危ないっ!」


 スモーカーに急接近するギャリーが目に入り、咄嗟に水琴は声を上げる。


 水琴の声にすぐに前を向くが、すでにギャリーはスモーカーの懐に入っていた。


 「戦闘中に余所見とは迂闊だな!!」
 「っ?!」


 ぶはぁっ!!と霧状の何かがスモーカーに降りかかる。


 「ぐわぁぁああ!!」
 「スモーカーさん?!」


 直撃したスモーカーは顔を抑え苦しんでいる。

 一体何をしたのか、ギャリーを睨みつければギャリーはにやりと笑い口元を拭った。


 「即効性の毒だ。俺は数十種類の毒を操れる」


 蛇眼の名を甘く見るな、とスモーカーを見下ろす。



 「ぐ……」
 「スモーカーさん!!」


 スモーカーに駆け寄ろうとする腕を別の男に掴まれる。


 「さァ。時間くっちまったがこれで終わりだお嬢ちゃん」
 「助からなくて残念だったなァ」
 「……放してっ!」

 自分のこれからよりも、スモーカーの安否が気にかかり必死に彼の方を見る。

 スモーカーは蹲ったままぐったりと動かない。

 「おいおい、いい加減観念しろって」
 「観念するのはお前らの方だな」

 男と水琴の下に影が出来る。

 次の瞬間、ゴォッ!!と男達が燃え上がった。



 「ぎゃぁぁぁああああ!!!」

 「あつ…あちィッ!!」



 「エース……」
 「大丈夫か水琴!」


 屋根から飛び降りたエースが水琴へ駆け寄る。

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