第104章 サバイバルマッチ
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「助けてくれて、ありがとうございました」
穏やかな海の上でリリィは頭を下げる。
「これからお前らどうすんだ」
「次の島で船を調達したら、またリリィの島を探そうと思う」
わたしには彼女を送り届ける義務がある、とダグはリリィの頭を撫でる。
「お前たちには世話になった。感謝してもし尽くせない」
「おれたちはおれたちで好き勝手暴れただけだ。礼を言われる筋合いはねェよ」
「だけど二人だけでここから先旅するのは危なくねぇか?グランドラインってのはそんな生易しいもんじゃないんだろう」
「確かになァ。嵐だけじゃなくグランドラインは不可思議な現象が数多いって聞くからなァ」
デュースとトウドウの言葉に水琴も心配の色を隠せない。
天候のことだけじゃない。最初の島でこれだ。ここから先どんな困難が待ち受けてるのか分からないだろう。
おまけにただの子連れではなく、リリィは“歌詠み”という海賊からは狙われる存在。
またこういったことが起こらないとも限らない。
「__ねぇエース」
「あー分かってる分かってる」
水琴が口を開けばエースは全てを聞く前にそれを制しがしがしと頭を掻く。