第104章 サバイバルマッチ
「かってェ!なんだありゃ」
空中で体勢を立て直し地面に着地したエースはじんじんと痛む拳を振る。
「ただの鉄じゃねェな。なんかの鉱石か?」
「よく分かったな。これは特別製でな。下手な獲物じゃ武器の方が刃零れする強度を持つ」
鈍い光を放つ武装にキールはちらりとエースの拳を見る。
「お前、拳平気か」
「ちょっと痛ェけど問題ねェ」
軽く握り拳を作り確認するエースの手はぱっと見赤くなってはいるが動きに問題は無いようだった。
「お前の身体ってホントどうなってんだ」
「先行くぞ!!」
呟くキールを置いて再びエースは地を蹴る。
それを追うようにキールも飛び出した。
「さて。こちらさんもおっ始めようとしようじゃねェか」
武器を構える手下へ向かいトウドウは悠然と構える。
「お嬢とデュースの旦那は後ろに下がってな」
「一人でいいの?」
「なァに。まだまだ若ェもんには負けねェよ」
快活な笑みを浮かべ、トウドウは向かってくる手下に対して大きく銛を振りかぶった。
「__むんっ!!」
一振りで面白いくらいに手下が飛ぶ。
何かに似てるな、と考える水琴の脳内に元の世界で弟たちがやっていたゲーム画面が流れた。
「まさに無双だよね」
「??そうだな」
すれ違いつつも間違っていない会話のやり取りを行っていれば、手下はあっという間に地に沈んでしまった。
「どんなもんでェ!」
「お見事!」
「さすがだな」
ぐっと胸を張るトウドウへ二人して賞賛の拍手を送る。