第104章 サバイバルマッチ
「信じるしかねェな。ま、うまくいかなくても勝てば済む話だ」
「それはそうなんだけどね」
「まぁ考えすぎてもしょうがない。今はやれることをやろう」
デュースの励ましにそうだね、と水琴は頷く。
そんな彼らの頭上で複数の爆発音が轟いた。
「なんだ!」
「みんな、散れ!!」
キールの声に水琴はその場から飛びのく。その直後背後の木を砲弾が撃ちぬいていった。
「__探したぜ」
煙の中から現れたのは捜していた首狩りのザザとその一味だった。
身構える水琴たちを見てほんとに五人しかいねェのか、とあざ笑う。
「思ったよりやるようだが、楽しませてくれよルーキー」
「舐めてると痛い目見んのはそっちだぜ。優勝はおれたちだ」
開口一番、エースが駆け出す。
エースの拳を真正面から受け止めると、ザザはその首にかかるメダルを見下ろした。
「てめェがリーダーか。その割にはメダルの数が少ねェが」
「全部取られたら厄介だからな。保険だ」
「なるほどな……ちゃちな手だ」
全部奪えば済むことだ、とザザは剣を振り上げる。エースに振り下ろされる間際にキールの刀がそれを防いだ。
その隙をつきエースが再び拳を振るう。拳は狙った顔面を捉えることなく、身をかがめたザザの肩当てで受け止められてしまった。
常とは異なる感触にエースは眉を顰める。一瞬動きを止めたエースをザザは思い切り蹴り飛ばした。