第104章 サバイバルマッチ
「エース」
見上げたまま、水琴は隣のエースへ声を掛ける。
「おう」
「……絶対優勝しよう」
「さっきから言ってるだろ」
当たり前だ、とエースは不敵な笑みで鳥籠を見上げた。
『ルールは至って簡単。この広大な森の中、制限時間内にそれぞれのチームが持つメダルのパーツを奪っていくだけ!メダルを完成させたチームが優勝だ!』
手段は何でもあり。共謀、裏切り、罠好きなようにするといい!!
『死人が出てもこっちじゃ一切関与しねェ!好きなように暴れやがれ!!』
「「「おおぉぉぉおおおお!!!」」」
広場の高い所に設置された砂時計がゆっくりと引っ繰り返る。
『まずはそれぞれ配置へ着け!設置された台へメダルを認証させたらスタートだ!認証させたメダルは奪われたら即離脱だから注意しろよ!
ちなみに制限時間内にメダルが完成しなかった場合は、パーツをより多く持ってたチームが優勝だ!』
司会の声を合図に海賊たちが一斉に森へと散っていく。水琴たちもすぐさま最初に提示された場所へ向かった。
「台ってこれ?」
森の中にぽつんと置かれた台を見る。
そこにそっとメダルを乗せると一瞬光り認証の文字が浮き出た。
「意外にハイテクだね」
「さて。こっからがスタートだな」
「どうやって攻める?」
キールの問いにふむとデュースは考え込む。
どこかを目指すというわけでもない。
あちこちに散らばった残り十九の海賊団を相手にしないといけないのだ。無闇に突っ込んでいくのも得策ではない。
「せめてもう少し見晴らしのいい場所で待ち伏せするか」
「そうだな」
うっそうと茂る森の中ではどこから敵が飛び出してくるか分からない。
認証を終えるとエースたちはひとまず森を出ようとその場を離れた。