第104章 サバイバルマッチ
書かれた文字は“ルーキー海賊団”の文字。
改めて確認するようこちらを覗き見てくる胴元の視線に、エースは好戦的な笑みで応えた。
「ここは“ルーキー殺しの島”なんだろ」
「わざわざそうと知って来るなんざ命知らずの馬鹿か欲に駆られた馬鹿のどっちかだな。お前らも賞金に目がくらんだ口か?」
「賞金?」
「知らねェのか。このサバイバルマッチで優勝すると一億ベリーもらえるんだぜ」
「へェ。そりゃ初耳だな」
そういえば概要を何も知らずに申し込んでいたことに気付く。
しかし一億ベリーは何とも魅力的な金額だ。現在カツカツの身としては是非とも手に入れたい。
「賞金じゃないとすると、賞品が目当てか?」
「賞品まであんのかよ」
「……お前らほんとになんでエントリーしたんだ」
「腕試しに決まってんだろ」
胸を張るエースにもういい、と胴元は紙へ目を落とす。
「で、参加人数はどうする?島の大きさにも限界があるからな、今回は参加チームの都合から一チーム二十人以上は受け付けられねェ。悪ィが残りは観戦だ」
「五人」
「五人?!」
エースの言葉に叫ぶ胴元。
「だってそれ以上いねェし」
「ここにいるメンバーで全員だからな」
「___ぶわっはっは!」
あっけらかんと言うエースとデュースに対して胴元はとうとう笑い出す。
「いやァ、お前らみたいなぶっとんだルーキーは初めてだ。せいぜい盛り上げてくれよ」
で、賭けはどうする?と胴元はエースを面白そうに見上げる。
「水琴。今の全財産っていくらだ?」
「えっと、二十万くらいかな」
「え、もうそれしかねぇの?」
「だって船買ったし、ローグタウンでも結構色々揃えたし」
キールの言葉に買った物を指折り数える。
最近収入が無く支出一辺倒だったのでお財布事情はかなり厳しい状況だ。
現実を突きつけられ黙り込むクルーたちを前に、エースはじゃあそれ全部うちのチームに、と胴元に告げた。