第103章 グランドラインへ
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「とりあえず各自物資調達な。食材はトウドウと水琴に任せた」
「了解」
「キールは医療道具揃えとけよ」
「おう」
「デュースは日用品な。おれは船の修理道具揃えとく。時間は二時間くらいで良いか?」
「とりあえずはそんくらいで良いんじゃねぇか」
「じゃあ解散!」
ばらばらと町に散っていく。
水琴はトウドウと共にまず市場を廻った。
「みんな大食漢だから大変」
「こりゃあ早くコックが欲しいところだな!お嬢も大変だろ」
「料理自体は好きだけど、長い航海ってなると栄養バランスとか考えるのがねぇ……」
現在料理はもっぱら水琴の仕事となっている。時折男の料理だ!とトウドウが作ってくれるが、基本は水琴だ。
もっとサッチから料理習っておけばよかった、と溜息を吐く。
「船には俺が運んでおくから、お嬢は町見て回んな」
「いいの?」
「おォ。色々と調達しときたいもんもあるだろ」
さすが大人。水琴が言いにくいことも察して気を配ってくれる。
「ありがとう、行ってくるね!」
「おう、また船でな!」
トウドウと別れ水琴は町を歩く。
原作で少し知っているとはいえ、ここまで細部を見るのは初めてだ。
「……あれ」
テーマパークを訪れた気分でゆっくりと歩きながら街並みを楽しんでいた水琴だったが、通りの隅に見慣れた物が並んだ店を発見し足を止めた。
近寄り店頭に並んだそれらを見る。
「ログポース……そうだ、ログポース!」
腕時計型のそれらを見てぽんと手を打つ。
新世界でずっと航海してきてあるのが当たり前と思っていたので失念していた。