• テキストサイズ

【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第102章 船医





 「__海賊王を、超える?
 そりゃ傑作だ!海賊王を目指す馬鹿な奴らは少なからずいるが、それを超えようなんて奴はどの海探したっていやしねェ!」
 「じゃあおれが最初なんだろ」

 笑い飛ばすヴァレリーに淡々と返す。その瞳が全く揺るがないのを見てヴァレリーは笑みを消した。

 「……出来ると思ってんのか?」
 「出来るか、出来ねェかじゃねェよ。__やるか、やらないかだ」

 出来る出来ないは結果であり、未来だ。
 そしてやるかやらないかは、自身の意志。
 未来で意志を決めるのではない。
 意志が、未来を広げるのだ。

 「おれは、やると決めたらやる。障害になる奴は全員ぶっ倒す。……まずはてめェだ」
 「__面白れェ。そんな死に掛けの身体でオレを倒せるってんならやってみな!!」
 「キール!!」

 視界の端、未だ倒れたまま顔だけあげていたキールが驚きに目を見開くのが見える。

 「任せた!!」

 それだけ言い、エースは走り出した。
 廃材を投げその陰からヴァレリーを狙いつつ、四方から打撃を繰り出すがヴァレリーの槍はそれをことごとく防いでいった。

 「何が任せただ。あんなボロボロの奴に何が出来る!」
 「何度も言わせんなよ。出来る、出来ないじゃねェんだ。__それにな、あいつは“やる”男だ」

 力強く踏み込み跳躍する。上空で無防備となったエースを串刺しにするべくヴァレリーは槍を構えた。
 だがエースの真下からヴァレリーの眼前に白銀の刃が迫る。その素早さからすぐさま標的を変更し、ヴァレリーはキールを貫こうと槍を放った。
 
/ 1122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp