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【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第102章 船医




 ***




 「すみません、無駄話に付き合わせてしまって」
 「いいえ。お茶、ごちそうさまでした」

 起きたエースと共にセトの家を後にする。
 
 「何話してたんだ?」
 「ちょっと、世間話」

 まだエースは知らなくてもいいことだろう。異世界の民については胸に秘め、水琴はそういえばと話を逸らす。

 「そろそろ時間じゃない?デュースと合流しないと」
 「そうだったな」

 正午を差す時計を確認し足早に酒場へと向かう。
 そこには既にデュースが待っていた。

 「ごめん、待った?」
 「いや、ついさっき来たところだ。早速情報交換を__と言いたいとこだが」

 飯の方が良いだろうな、とデュースは席に着くエースを見る。
 そこには盛大に腹の虫を鳴らすエースがメニュー片手に目を輝かせていた。

 「やっぱ肉は外せねェよな。お前らはどうする?」
 「……私は軽くでいいや」
 「俺も少しでいい」

 あんなに食べ歩いたのにまだ食べるか。
 苦笑しつつ、水琴は手を挙げ店員を呼び止めた。
 注文の品が届き勢いよくかきこむエースを余所に水琴とデュースは互いに得た情報を交換する。

 「__なるほど。じゃあその海賊団はスラムにいる可能性が高いんだな」
 「そう。デュースの方は何か良い情報あった?」
 「あぁ。何人か候補は挙がったが、個人的にはキールってやつが良さそうだな」
 「キール?」
 「なんだ、お前ら知ってるのか」
 「実は……」

 水琴は先程の通りでの騒動とセトとの一件を手短に話す。そういうことか、とデュースは納得するように頷いた。

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