第102章 船医
「しかしお前ら、こんな船でグランドライン渡る気か?」
「こんな船で悪かったな!」
新たにトウドウを仲間に加えたエース一行だが、船の惨状を見て溜息をつくトウドウにエースが咬みついた。
トウドウがそう言うのも無理はない。
元々近海を渡るための小さな船だ。先の嵐での海戦や無人島での一件で船の状態は言わずもがな。
メリー号でも結構きつかったのだ。グランドラインに入る前に確実に沈むだろう。
「そろそろ装備を整えるつもりだったんだよ。仲間も増えたことだし、もっとでかい船が欲しいな」
金はあるし、とエースが今までの冒険で得た(大体は奪った)宝の山をトウドウに見せる。
「そんなら話は早い。俺の馴染みがやってる店があるんだ。どんな海も乗り越えられる船見立ててやるよ」
「まじか!」
「そいつは助かるな」
思わぬ朗報に喜ぶ。
船の調達は急務だったが、正直どのように選べばいいか分かりかねていた。
トウドウの馴染みの店ならば信頼も置ける。
どうやら船もすぐに手に入りそうだと水琴はトウドウへ問い掛けた。
「その店はどこにあるんですか?」
「ウィッチタウン。グランドラインの入口、ローグタウンの一つ手前の島にある造船の町だ」