第7章 うなれ体育祭
重苦しく、気まずい雰囲気が流れる1年A組の控え室。そして轟の宣戦布告に暫く口を噤んでいた緑谷が口を開いた。
「轟くんが何を思って僕に勝つって言ってんのか…は、わかんないけど…そりゃ君の方が上だよ…実力なんて大半の人に敵わないと思う…客観的に見ても…」
「緑谷もそーゆーネガティブな事は言わねえ方が…」
緑谷の言葉に轟は足を止めて振り返る。消極的な意見を口にする緑谷を見て切島は苦笑いを浮かべながらも彼を窘める。
「でも……!!皆…他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ僕だって…遅れを取るわけにはいかないんだ」
『緑谷くん…』
「僕も本気で獲りに行く!」
緑谷は轟から目を逸らさずに覚悟を決めた表情で自身の意見をガツンと言い放った。
「皆!!入場だぞ!!!」
そしてタイミングよく入場の時間がやってくる。耳を澄ますとステージ内の通路からでも分かるほどに会場は歓声で溢れかえっていた。実況はプロヒーロー兼雄英高校教師であるプレゼント・マイクが進行しながら1年生ステージ生徒の入場が始まる。
「さあ!!1年ステージ生徒の入場だ!!どうせてめーらアレだろ、こいつらだろ!!?」
言たちは歓声で溢れかえるグランド内にへと一歩一歩、胸を張りながら足を進める。
「ヒーロー科!!1年!!A組だろぉぉ!!?」