第7章 うなれ体育祭
『……嫌だって言ったら』
私は背中に冷や汗を流しながらもポーカーフェイスを貫き通して爆豪さんの目を見てハッキリと告げる。
「ハッ、そう言うと思ったぜ」
爆豪さんは下を向いて乾いた笑いを放つと、問答無用で掴みかかってくる。私はそんな爆豪さんの攻撃を受け流して距離をとる。そして彼の攻撃が通らない具合の射程距離をとると彼は突然独り言を呟くように話をし始めた。
「…USJの時、お前はオールマイトにも引けを取らねぇヴィランの攻撃を読んで俺を庇いやがった。そんなんオールマイト並の動体視力がなきゃ出来ねぇ筈なんだよ」
『それは…偶々だよ』
「ふざけんな!!偶々であのクソヴィランの攻撃が読み切れるか!!!」
言の返答が彼の逆鱗に触れたのか生身で当たったら一溜りも無い爆発を言に向けて放った。
…何分経っただろうか、爆豪が個性を使っては言はただそれを淡々と躱していく。そんな時間がずっと続いていた。幾度の爆破の光に目を酷使した言。そんな集中力が途切れかけた彼女の一瞬の隙を見逃さなかった爆豪は言の目の前で大きな爆発を起こした。言は間一髪のところで避けられたが爆風の勢いで体勢を崩してしまい、地面に倒れてしまう。
「今のだって避けれんじゃねぇかよっ…!クソッ…俺には個性つかうまでもねぇって事か!?」
とうとう個性を使って反撃をしない私に痺れを切らしたのか額に怒筋をたてながら鼓膜を劈く様な勢いで声を放ち、私の体操着の襟元を掴んで怒りを露わにする。