第7章 うなれ体育祭
「隣のB組のモンだけどよぅ!!ヴィランと戦ったつうから話聞こうと思ってたんだがよぅ!!エラく調子づいちゃつてんなオイ!」
私たちは、もはやこれ以上事態を悪化させまいと黙って話を聞く。が、例え私たちが黙っていたとしてもそれに黙っていないであろう人物が1名いる。私たちはその人物、爆豪勝己さんをじっと見つめる。しかしそんな予想は反して爆豪さんはB組の人を完全無視、無言のまま人を避けて帰ろうとする。そして帰ろうとする爆豪さんの姿を見て切島さんが彼を引き止める。
「まてコラ、どうしてくれんだ!!おめーのせいでヘイト集まりまくっちまってんじゃねえか!!」
「関係ねえよ……」
「はぁーーー!?」
引き止める切島さんを横目に爆豪さんはたった一言、口にする。
「上に上がりゃ関係ねえ」
それは漢らしさを大事にする切島さんを黙らせるには十分な言葉だった。
「く……!!シンプルで男らしいじゃねえか!」
「上か…一理ある」
爆豪さんはそう言い捨てて教室を後にし、普通科の生徒たちには目もくれずに帰って行った。そして案の定爆豪さんの一言に胸打たれ、体を震わせる切島さん。と、それに納得する常闇さんがいた。